2-6 相続財産の把握

被相続人の財産を相続するためには、被相続人にどんな財産があったか、財産を把握する必要があります。

これは、「正の財産」はもちろんのこと、「負の財産」いわゆる負債も同様です。

どのような財産がどれくらいあるのかを把握することは、相続においては非常に重要なことになります。

財産の把握が漏れてしまうと、相続税の申告でも漏れてしまうことになり、税務調査によってその事実が発覚し、追徴課税が行われるリスクもあります。

遺産分割協議からも漏れてしまうことになり、後から財産の存在が発覚することによって揉めてしまう可能性もあります。

早期に、きちんと相続財産を把握する必要があります。

具体的な財産の把握方法は、被相続人の遺品を整理することによって大部分を把握することができるはずです。

①金融資産を把握する

被相続人の生前の行動範囲や、被相続人宛に届いていた過去の郵便物等から、取引をしていた銀行・証券会社の支店を把握します。

それが把握できたら、その銀行・証券会社の支店に口座の有無を確認し、口座があれば残高証明書の発行を請求します。

手続きは金融機関ごとに多少異なりますので、その金融機関にお問い合わせ下さい。

残高証明書が入手できれば、その支店に複数口座があった場合でも全て把握することができます。

②不動産を把握する

こちらも同様に、被相続人の生前の行動範囲や、被相続人宛に届いていた過去の郵便物等から、被相続人名義の不動産を確認します。

収益不動産であれば、通帳に賃料収入の入金があったりしますが、空き地・空き家・畑を持っているような場合には、収益からでは把握することができません。

不動産の権利証を探したり、市区町村から送られてくる固定資産税の納付書を探したり、登記簿謄本を探したりして、不動産の情報を収集します。

ある程度情報を収集したら、法務局で土地・建物の登記簿謄本を取得することで、最新の情報を入手することができます。

③貸金庫を把握する

銀行口座の過去の履歴で、貸金庫の料金が引き落とされている場合には、その支店に貸金庫を借りていることになりますので、開けましょう。

重要な財産の情報が入っている可能性が高いですし、遺言書などが入っている可能性もあります。

④保険金を把握する

生命保険に加入していた場合には、保険会社に対して生命保険金を請求する必要があります。

相続人がその存在を知らされていればその保険会社に問い合わせれば良いですが、知らされていない場合には、加入している保険会社とその内容を把握する必要があります。

保険証券や保険会社からのお知らせなどから、被相続人が加入していた保険会社の情報を入手し、その保険会社に問い合わせる流れがスムーズです。

⑤負債を把握する

借金も把握する必要があります。

住宅ローンなど銀行の借入金であれば、毎月口座から返済されていますので、どこの銀行から借りているかは比較的簡単に把握できると思います。

事業をやっているような場合には、銀行からの借入金でも分割返済ではなく、期日に一括返済するものもありますので、口座のある銀行に問い合わせをするのが確実です。

残高証明書を依頼すれば、借入金についても把握することができます。

厄介なのは、金融機関以外からの借入金がある場合、などです。例えば、知人からの借入金などです。

借用書や金銭消費貸借契約書など、書面を探して把握していくしかありません。