2-5 限定承認

相続が開始した場合、相続人は次の3つのうちのいずれかを選択することになります。

①相続人が被相続人(亡くなった方)の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ単純承認

②相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない相続放棄

③被相続人の債務がどの程度あるか不明であり、財産が残る可能性もある場合等に,相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ限定承認

相続人が②の相続放棄又は③の限定承認をするには、家庭裁判所にその旨の申述をする必要があります。

限定承認のメリットは、被相続人が残した財産が「正の財産」よりも「負の財産」(負債)の方が多い場合でも、「正の財産」の範囲内でのみ「負の財産」を引き継げばよい、ということです。

被相続人の財産の状況がわからず、財産の方が多いのか負債の方が多いのか、判断できないような場合でもこの方法を選択すれば、負債の方が多かった場合でも、財産を超える負債については引き継がない、ということが可能になります。

デメリットは、裁判所への申述は相続人全員が共同で行う必要がありますので、相続人全員が合意の上、進める必要があります。また、手続きに手間と時間が大きくかかる可能性があります。

実務的には、ほとんど使われていない制度です。

相続人が、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に相続財産の状況を調査してもなお、相続を承認するか放棄するかを判断する資料が得られない場合には、相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立てにより、家庭裁判所はその期間を伸ばすことができます。