2-1-1 期限別に見た手続き概要

相続が発生すると、様々な行政上の手続を決められた期限までに行う必要があります。

7日以内にやらなければならないこと

死亡届

死亡の事実を知った日から7日以内に医師の死亡診断書を添付して、該当する市区町村の長に提出しなければなりません。

3ヶ月以内にやらなければならないこと

相続放棄

相続人が被相続人の財産及び債務について一切の財産を受け入れないことを「相続放棄」といいます。例えば、被相続人の債務が財産よりも多い場合に「相続放棄」をすることによって借金から免れることができます。相続放棄をするためには家庭裁判所に申し出ることが必要です。

限定承認

被相続人の財産をすべて無限に承継することを「単純承認」といい、これに対し、財産の範囲内でマイ債務も承継することを「限定承認」といいます。
被相続人の借金の額が把握できない場合に使います。
これも家庭裁判所に申し出ることが必要です。

4ヶ月以内にやらなければならないこと

所得税準確定申告

不動産所得や事業所得などの所得税の確定申告が必要な人は毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年3月15日までに前年分の所得の確定申告を行いますが、個人が死亡した場合には、その年の1月1日から死亡の日までの期間の所得を確定申告(準確定申告といいます)しなければなりません。
この申告は原則として、相続人全員が連署で行う必要があり、相続人全員が被相続人の所得税の納税を行う義務があります。

10ヶ月以内にやらなければならないこと

相続税の申告

被相続人の遺産に対して相続税がかかる場合には、相続開始を知った日から10ヶ月以内に相続人全員が相続税の申告をしなければなりません。
相続税は相続人1人1人が実際に取得した財産に対して相続税が算出されるため、申告期限(10ヶ月)までに遺産分割協議が相続人間で整っていることが前提になります。原則的には遺産分割協議も10ヶ月以内という事になります。

相続税の納付

相続税を現金納付する場合には10ヶ月以内に納税しなければなりませんが、その他の納税方法の延納(国に借金する事)や物納(物で納める事)も申告期限(10ヶ月)までに申請書を提出し許可を受けなければなりません。

1年以内にやらなければいけないこと

遺留分の減殺請求

民法では、法定相続人が必ず相続することができるとされている最低限の相続分(=遺留分)が保証されています。万一、遺言によって遺留分未満の財産しかもらえなかったときには、遺留分を侵した相手に対して相続の開始から1年以内に「遺留分の減殺(げんさい)請求」を行うことで、これを取り戻すことができます。

3年10ヵ月以内にやらなければいけないこと

相続税の特例適用のための分割期限

相続税の軽減特例である「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地の評価減」「特定事業用資産の特例」の適用は、遺産分割協議が整っていることが適用要件となっているため、申告期限(10ヶ月)までに協議が整っていない場合には、適用ができない内容の申告となります。
その後、3年以内に協議が整えば、その時に特例を適用する申告内容に訂正することができます。
相続財産を譲渡した場合の所得税の譲渡の特例(取得費加算)は、その譲渡が相続税の申告期限から3年以内に行われたときだけに限られています。

 

以上、期限のある手続きについてお話いたしましたが、全部を行うわけではありません。

ただし、知らなかったでは済まされないのが、この期限のある手続きですので、ご注意下さい。